勧酒
唐代の詩人 于 武陵の詩「勧酒」を井伏鱒二が訳したものが好きなのです。
于 武陵の「勧酒」は
勧君金屈梔
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離
書き下し文ではこうなる(らしい)
君に勧む 金屈梔
満酒辞するを須いず
花発けば 風雨多し
人生 別離足る
井伏鱒二が訳した「勧酒」は…
コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
不思議な訳ですよね。けれどなんだか一期一会みたいな感じで物悲しげな雰囲気が好きなのです。
(因みに詩と書き下し文と井伏鱒二の訳はネット調べになっていますので、正確かは分かりません…)
自分の内側にある歪に空いた穴へ引っ掛からず綺麗に通り、内側の奥へコトンと落ちるような言葉…とでも言えば伝わる…の、かな(全然伝わる気がしない)…腑に落ちると言った方が分かりやすいか…伝えたい事と少し違うけど。